【福岡・飯塚市】セット専門サロン&出張カット

Monange(モンナンジュ) 麻生まどかさんインタビュー②

記念すべき第一回インタビューは、

福岡初!飯塚市で発達障がい児専門の

訪問カット「スマイルカット」を

始められた麻生まどかさんに

お話を伺いました②


もし最後までカットができなくても、
ただ美容室のイスに座れただけでも、褒めてあげてほしい

キ:こまめな声かけと、その子の様子を見ながらのヘアカットが大事なんですね。赤いメーターが出る視覚支援できるタイマーも、ネットで買えて千円くらいとか。見通しがたたないのが苦手な子たちが多いから安心できそう。


麻:そしてDVDもですね。うちには、ポータブルDVDデッキがあるから、好きなDVDを持ってきてもらうとガッとそこに集中してくれる。あと、好きなお菓子をお母さんに持ってきてもらうのも大事。「終わったら食べようね」っていうご褒美を用意してもらうと、ちょっと我慢して頑張ろうという気にもなるので。

もし最後までカットができなくても、ただ美容室に行けてイスに座れたっていうだけでも、褒めてあげてほしいんです。親御さんはそういうスモールステップが大事って分かると思うんです。でも美容師側としては、そういう事情が分からないから、「褒めすぎじゃない?えらく甘やかしてない?」って思うかも。でも、知らないお店に入って来れただけでも、「ここまで来てくれたんやね~!ありがとう~~」ってちょっとずつ声かけする。イスに座れただけでも「椅子に座れてすごいね~」って。ワンアクションごとに褒めると本当にその子の態度が全然違う。

キ:ワンアクションでも褒めるのは、発達障がいのある子だけじゃなくて、お子さんたちの髪を切るときには全員有効ですよね。キッズカット時に、お子さんにどう接していいか分からないっていう美容師の方にも指針になりそうですね。京都であった講習会に私も参加したんですが、赤松さんが講習会の際に「発達障がいの子だけじゃなくて、カットしに来た子どもさんに泣かれる方いません?美容師として、髪を切りに来た子に髪を切らずに帰すっていうのは悔しいと思う。ちょっとしたことを工夫するだけで全然違うのだから、僕たちが髪を切ることから逃げたら駄目なんじゃないでしょうか」と仰っていて。身内からすると、美容師さん側に迷惑をかけてしまって申し訳ない気持ちもあるから、すごく救われた部分がありました。

麻:キッズカットのやり方として、ちょっとの工夫で、すごくやりやすくなると思います。

キ:美容師さんはサービス業だから、一般の方の中でもホスピタリティーの高い方たちが多いと聞いたことがあります。そういう方たちであっても、ハサミという刃物を使う職業で、受け入れたくても何かあったらという不安で踏みとどまっている方もいらっしゃるのかなと。だからこそ親御さんの立場からでは、お願いしづらい現状につながるのかもと思うのですが…。

麻:難しい問題ですよね…。以前、美容室で働いていた時もキッズカットに限らず車イスのご老人の方も来られていて。もしケガをさせてしまったら…というのは、すっごく怖かったです。そのリスクはいつも感じてました。大人・子どもに限らず、カットだけじゃなくて、カラーやパーマでかぶれたというクレームなどもあるだろうし。

私がやっていることで言わせて頂くと、危ないことを親御さんにお願いされていることが分かっているので、特に危ないところ…耳まわりをカットするときは、親御さんと先にお話をして、危なくないところまでをカットするんです。危なくないところっていうのは、髪を切るときに指で髪を挟むんですが、指のところにハサミをあてたら絶対お子さんの体を傷つけないから、指一本までのラインまでは切ることができる。耳まわりから指一本分は離れているので危なくない。でも男の子で耳をきっちり出したいご希望がある場合、危ないからバリカンになるんですよ。でもバリカンの音が苦手な子が多いから、事前に親御さんに相談します。

髪の毛はここまでの長さになるけど出来るだけ怖くない音で終わらせるか、一瞬だけ「ジャッ」っていう音がしてしまうけどサッパリするのだと、どっちがいいですか?ケガするけんですね、って一言を添えます。そうすると、親御さんも理解してくれるんですよね。


スマイルカットしてる時は、プロとしての仕上がりで言うと 私が切ったって言われたくない(笑)。でも苦手なことを我慢してこの子が頑張ったんだからこれでいいんだって。


キ:ひとことを先に付け加えてくださる心遣いが本当にありがたいです。私の身内の話になってしまうのですが、甥の髪を切ってくれている美容師さんが「プロとしては納得していない仕上がりなんですよねぇ」と言ってたと聞いたことがあります。でも、私から見たらプロの仕上がりで。いつも自宅で丸刈りをしてたんですが、親が怖くて切れなかった顔まわりにちょろんと髪が残って「小豆洗い」と家族に言われてた子が(笑)。こんなに素敵になってと、美容師さんが神様に思えました。

麻:もうめっちゃ分かります!スマイルカットしてる時は、プロとしての仕上がりで言うと 私が切ったって言われたくない(笑)。でも苦手なことを我慢してこの子がこんなに頑張ったんだからこれでいいんだって思うんですよね。

キ:まどかさんのプロ意識の高さゆえの葛藤がありつつも、カットされるお子さんへ向けられる愛情が本当に素晴らしいです。我が子を少しでも可愛く、カッコ良くしてあげたいと願うのが親心だと思うので、親御さんにとってそういった美容師さんがいるっていうことは何より嬉しいと思います。

麻:お子さんに障がいがあることをオープンにできない方もいるだろうし、ヘアカットそのもののハードルが凄く高いように感じるんです。そのハードルを取っ払えるような人に私がならないといかんなと。親御さんたちがカットに対するエネルギーを使わなくても、私たち美容師にその部分だけは頼って、少しでも楽になってほしいなって。

③へ

セット専門サロン&出張カット Monange(モンナンジュ)

https://www.monange.biz/

住所:福岡県飯塚市鯰田65-1

☎ 080-6457-2737

料金:発達障害児専門出張カット(スマイルカット)

5000円(出張費込)

※近隣市外(飯塚市内でも店舗から30分以上は市外に含む。)プラス出張費500円~1000円

福岡市内など遠方は、2~3名カット対象者を集めて頂ければ、お1人出張費1000円で施術させて頂きます。


カットが途中で中断した場合は当日に半額のお支払い&次回予約を行い、残りのカットの際に差額を支払うことが可能

※ポータブルDVDデッキがあれば尚可

カットを10分など短時間で終えることができる

低騒音バリカン、トリマーを利用、またはハサミのみでカットが可能

椅子にじっと座っていられない子の場合、椅子以外の場所でのカットも場合によって可能

事前にイラストや写真などで手順を説明して髪を切ることが可能