素敵なゆっくりさんと

ご家族インタビュー

第一回目の「素敵なゆっくりさんとご家族インタビュー」。

「ゆっくりさんのヘアサロンサーチ」運営スタッフの家族であり、

4人中3人がゆっくりさんという、あらゆる大波小波をくぐり抜けながら

絶賛子育て中のビッグママ「くりっこ」へインタビューを実施。

下記の2本立てでお送りします。

【前編】ゆっくりさん(発達障がいのある子)を育てるということ

【後編】ゆっくりさんがヘアカットできるようになるまで


定型発達のお子さんより3倍以上のストレスがあると言われる、ゆっくりさんの子育て。

ゆっくりさんにも色々パターンがあるため一概に言えませんが、

「どんな風に大変なの?」という疑問に、

リアルな子育ての苦悩、喜びを通して少しでもご理解頂ける一助になれば…。

(2018.9.22)

【前編】ゆっくりさん(発達障がいのある子)を育てるということ①


子どもたち3人を抱っこして、
私も泣きながら帰るような日々が続いてた。

キープ・ママ・スマイリング(以下、キ):身内なのでインタビューというのが不思議な感じですが、まずは家族構成を教えてください。


くりっこ(以下、く):旦那さんと子ども4人がいます。子どもは、小学校3年生(8歳)と、小学校1年生(7歳)の男女の双子、年長さんの5歳。長男以外の、次男・長女・次女が自閉症です。


キ:双子が初めて診断を受けることになった経緯は?


く:長男が0歳の頃から近所の子育て支援センターに通っていて。2歳前くらいから双子の女の子(長女)の方が、紙が破れてもクレヨンが落ちても、箱に入れようとしたものが入らないだけでもギャーギャー泣き叫んで暴れるようになった。支援センターに遊びに来たお子さん連れのお母さんたちからもギョッと見られるくらい癇癪がひどくて。特にその当時は一人で家で子どもたちの面倒を見るのがキツかったから、毎日のように支援センターに行ってたなぁ。

その場にいたら泣きやまないし暴れるし。泣き叫ぶ子どもと、他の2人(長男、双子の男の子)の3人を抱っこして、私も泣きながら帰るような日々が続いてた。


何もなければ「よかったね」だし、何かあればその後の療育も無料という言葉が後押しになった。

キ:支援センターに行かないのもキツイし、行っても泣いて帰る・・・かなり煮詰まってる状況だったんだね。


く:だいぶね(笑)。診断を受ける後押しになったのは、支援センターの先生からの言葉だった。他の診断施設は実費だけど、最終的に療育する場所になった医療機関だと乳児医療証が使えて無料だからと。何もなければタダで「よかったね」で終われるし、何かあればその後の療育も無料で受けられるから、小さい内に一度行ってみたら?って言われたのが大きかった。タダだったから診断を受けてみることにしたのかも(笑)。

CARS(カーズ:自閉症評定尺度)という検査を双子がそれぞれ別にしたんだけど、結果は双子同時だったから精神的にかなりキツかった。次男はまだ言葉も出ないし多分そうだろうという覚悟があったけど、長女の方もだったから…。診断名は自閉具合が最も重い自閉症スペクトラムですと。年齢と共にIQや社会性が上がったとしても、自閉度というのは変わらないと説明を受けた時はやっぱり凄くショックだった。

キ:検査の結果、2歳くらいの頃に発達レベルが2~3カ月くらいの赤ちゃんとほぼ同じと言われたのは身内としてショックだったなぁ…。


く:特に次男は発語がないというのもだし、7歳になった今も、1歳に満たない部分もある。1歳のころに名前を呼んだら「はーい」って手を挙げてたし、目も合ってたけど、それが途中で消失した。目も合わなくなったし名前を呼んでも振り返らなくなった。それも自閉症の特性でよくあるみたいで。大人が喜んで何度も名前を呼びすぎたから嫌になって最初はしなくなったのかなって思ったりもしたけど、自閉症だったからだった。

癇癪もひどいけど、テレビの見方が普通の子と違っていて。つま先立ちでテレビに近づいて、そのままバックするとか。保険のCMやワイプで出る数字のカウントとかに興味が強くて。TVの前で飛び跳ねたり、TVに対する興奮度合いが他の子と違ったんよ。

診断を受けたからすべてが終わった、じゃなくて逆に診断を受けたからこそ道が拓けてきた。

キ:我が子が似たような状況にあっても、診断に行くのをためらう親御さんもいるのかなと。


く:あれ?って思うことがあれば、絶対早く診断を受けたほうがいい。今の時代せっかく良い療育方法があっても、ある年齢を過ぎると、効果が見込めないから、もう療育出来ませんって言われてしまう可能性がある。それを知ってもらうだけでも、じゃあ今、動こうかなって思ってもらえるかも。

はっきり診断を受けていない時期、絶対お母さんたちは、一人で悩んでると思う。旦那さんと揉めたりとかもあるだろうし、理解してくれない親族の間にいたりしたら特に。


だからこそ、とにかく医療機関や子育て相談機関に、まずは一歩踏み出して頼ってみてほしい。誰かが相談に乗ってくれて診断がつけば、めまぐるしく「この曜日に来てください。次はこうでこうで…」と、バーーーーッとレールをひいてくれる。最初は何が何だか分からずに、その通り行くしかないけど、その通りに動いていくと、子どもも落ち着いてきたんだよね。診断を受けたからすべてが終わった、じゃなくて逆に診断を受けたからこそ道が拓けてきた。私はあのまま何もしなかったらそのまま潰れてしまってたと思う。


そして診断書をもらったら特に、特別児童扶養手当は絶対もらった方が良いです。グレーゾーンの人たちこそもらった方が良い。療育手帳がなくても診断書があれば、区役所に提出するともらえるから。生活面でかなり助かると思うんだよね。


2歳で診断を受けられてよかったよって皆に言われたし、自分でも心からそう思う。最初は2歳くらいで安定剤を飲ませるとか本当に嫌だったけど、寝てくれることで母の精神力と体力が回復できたから。今では子どもたちが小学校に行けるようにまでになったけど、当時は到底そんなこと考えられなかった。

②へ

家庭に「笑い」は大事ですよね。。。ってことで、くりっこが子どもたちの前で消灯の号令をするの図。

(「くりっこ、公開してごめん…」

by 運営スタッフ)