記念すべき第一回インタビューは、

福岡初！飯塚市で発達障がい児専門の

訪問カット「スマイルカット」を

始められた麻生まどかさんに

お話を伺いました③

お子さんのヘアカットと同時に親御さんのメンタルケアができたらいいなぁって。

麻：発達障がい児を育てていると、本当に何から何まで１日中大変なんです。だからこそ、数か月に1回のカットの時は、お子さんのヘアカットももちろんですが、親御さんの気が楽になる、それが大事だと思うんですよね。私も臨床心理士の先生のところに月１回行くんですけど、療育の時間が終わったときに、先生と話したりするたった10分、20分だけで気持ちがすっごくスッキリするんです。そういう時間を定期的に持つことで、お子さんのヘアカットと同時に親御さんのメンタルケアができたらいいなぁって。

この間も私の活動が掲載された新聞を見てくださった方から、スマイルカットの依頼があって。2歳半くらいの男の子が今まで一回も髪を切ったことがなく、とにかく多動で言葉もまだ出てなくて。お母さんが追いつめられてたんです。ヘアカットが終わり、お母さんと話したらボロボロ泣かれて。私ももらい泣きして(笑)。その時に、私はカットだけじゃなくて、こういうことがしたかったんだって思ったんですよね。ただ、スマイルカットを広げたいと思う反面、現状なかなか広がっていかないのが残念で。美容業界ってどうしてもキラキラした世界っていうイメージだから、福祉とは、なかなかつながらないんですよね。

たった一人の力かもしれないけど、誰かが動き出さないと何も変わらない。

キ：あらゆる偏見にさらされ、社会から孤立しがちなお母さんたちにとって、残念ながらそういう美容業界に、自分の子どもへの配慮をお願いする、っていうのがなかなか難しいという現状があります…。訪問でのヘアカットを5月から始められて、ヘアカットが中断して一回で終わらないっていうことはありましたか？

麻：ないです。でも、こちらのサイトにあった、もし切れなくても最初に半分の料金を頂いて、予備日を決めて残りの金額も頂くっていうのを見てこれいいなと思って。結局１回で切れたから今までは必要なかったんですけど、それを先にお伝えするとお母さんたちも安心するから、それは凄くいいなと思って使わせてもらってます(笑)。

こないだも、宗像市のお客様から依頼があったのですが、その前日にお子さんのヘアカットをしてもらった美容師さんにキレられたらしく。じっとしてなくて、中途半端に終わってしまったそうで。県内でも、大野城市とか粕屋郡とか鞍手郡とか、遠いところからも予約が入ってくるので、みんな困ってるんだなって肌で感じますね。日々の生活の一部ですからね。

キ：最初はどうしても、自分の子が、あれもこれも出来ないって考えちゃうお母さんたちが追いつめられていく中で、あのお店があるって思えたら…「Monange」さんが、お母さんたちの心の最後の砦の一つになってくれそうだなって思いました。

麻：こうなったらいいな～と思っていても始まらないから、たった一人の力かもしれないけど、誰かが動き出さないと何も変わらない。この子たちが大人になる将来には、発達障がいの偏見がない世界にしてやる！くらいの気持ちでいます。